儀式って。

「おくりびと」受賞、おめでとうございます。編集部えいぞうです。

昨日昼ごろ、携帯に広島の母から「おくりびとがオスカーとったよ！」の速報メール。
（私の映画好きは、実は幼い頃に母がよく連れて行ってくれた映画館通いからきているのです）

私も昨年末、我が家の奥様と観に行って感動していた映画だったので、うれしかったですね。
しかも日本映画史上初、の快挙ですから。

納棺師という職業、なじみはないですがとても重要で神聖なお仕事です。日本全国に約6,000人いるそうですが、作品内でも描かれているように世間からは決して良く思われていなかった職業です（例えば納棺師の主人公が最愛の妻にすら「…汚らわしい！触らないで！」と思わずののしられる場面は痛切です）。
しかしこの映画の登場と今回の受賞によって、きっとこの世間の目が変わることと思います。

亡くなった人を生前のように清め最後まで見送るというこの儀式、他国の方からすれば不思議な光景と映るでしょうが、日本人独特の感性が生んだ大切なセレモニーと思います。

（この繋ぎ方は不謹慎でしょうが…　すみません）

結婚式だってそうと思います。神に誓う、人に誓う、色々ありますがきちんと意味があり重要なものです。結納だってしかり。
忙しい中の準備期間で「しんどい」なんて思う人時もあるかもしれませんが、そもそも「何のためにするのか」「誰のためにするのか」をそんな時は思い返すといいかもしれませんね。

＊なんて堅苦しいブログになりましたが、ともあれこの度はおめでたいのです。


＜今週のオススメ映画＞
「おくりびと」（08年日本）
～というわけで、今回はこれ。所属するオーケストラの解散で職を失ったチェロ奏者が、故郷で見つけた再就職先は…。主演の本木雅弘さんの映画化への情熱もすばらしいですが、作品を支える他キャスト達のアンサンブル演技といいますか、存在感がすばらしいですね。幼馴染のおばちゃんが経営する閉店寸前の銭湯とそこにいりびたるおじさん、奥さんを亡くした夫のなんともいえない感情、おばあちゃんにルーズソックスをはかせてお別れする女子高生の孫など、「死」というテーマながら希望とユーモアに満ちた作品ですよ。