嘘と実

色々湿気ています。編集部えいぞうです。

今日はのっけから映画のお話。最近こんな映画を見ました。
「ディア・ドクター」。
ご存知の方もおられますよね。小さな村で村医としてただ一人働く医者（笑福亭鶴瓶）が突然の失踪！村は大騒動となり、そこから物語が始まります。
未見の方は是非見ていただきたいですが、このお話のひとつのテーマとなるのは「嘘」。

主人公が悪気無くついたひとつの嘘が、皮肉にもやがて村人にひとときの幸福を与えます。もちろん嘘をつくこと自体は罪と思います。
その嘘が発覚したとき、村人や周囲のたちは彼を攻めました。でも主人公がした「行為」は他の人間なら避けてしまいたいほど困難なもので、ある種自己犠牲的、献身的なものでした。彼の行為は果たして罪か？
微笑ましいラストシーンにはそんな疑問さえ必要なくなるような安堵感で満たされます。

と、たまには真面目な語り口で書いてみましたがとにかく、傍から見てばかばかしいことでもひとつのことを一生懸命している人はやっぱり素晴らしいわけで、そんな人をただ嘲笑うだけの人にはなりたくないですね。

結婚相手がもし嘘をついたとき、あなたならどうするのでしょう。もしかしたらその嘘はあなたのためについた小さな嘘かもしれませんね。そんなときは質す前に「なんでだろ？」って少し思いを馳せるのも良いかもしれませんよ。

もちろん、
「ディア・ドクター」（09年日本）
監督は「ゆれる」の西川美和。個人的には今年のベストワンになりそうです。